九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、ハマボウの美しさと魅力を学び、地域知を繋げていくことを目的に2024年7月6日、糸島市泉川下流域にて『第34回 海辺の教室 in福岡・糸島』~海と川の出合う岸辺の希少植物ハイビスカス ハマボウのお花見!~を開催いたしました。
今回の海辺の教室では、糸島市内の親子や多世代の多くの年齢層の方を対象に一緒にハマボウを観察しました。また、この群落の清掃などの活動を長年にわたり行ってきた「泉川はまぼうの会」の方にお越しいただき、活動の内容について伺いました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベント概要
開催概要
見ごろを迎えた糸島市の天然記念物「泉川下流域のハマボウ」を観察し、花の美しさや魅力を学び、グリーン・インフラとしての防災価値、住民の手で保全されてきたその想いとハマボウの美しさと魅力を学び、地域知を繋げていくことを目的とし、開催しました。
日程
2024年7月6日(土) 10時~11時
開催場所
糸島市泉川下流域
参加人数
小学生とその保護者 4組9名
講師
清野聡子(九州大学准教授・九州大学うみつなぎ統括プロデューサー)
協力
泉川はまぼうの会
後援
糸島市・糸島市教育委員会
開催レポート
泉川ハマボウの観察
ハマボウは、海と川が出会う汽水域の水際に生育する、ハイビスカスの仲間です。シーボルトによって学名が名づけられ、ハマボウという和名が国際的にも認められています。
温帯のマングローブとも言えるこのハマボウが、夏に一斉に黄色い花を咲かせます。糸島市泉川の汽水域では、見事な群落が形成され、住民の方々によって保全されています。市の天然記念物であり、市の花にも指定されているシンボルです。しかし各地で河岸工事により消滅し、現在は希少植物となっています。清野聡子准教授からは、ハマボウの特性を講話いただきました。
「日本の河川敷に木を植えてはいけないという決まりがある中で、ハマボウがこれだけ群生しているのは珍しい」と、清野准教授が参加者に話し始めました。ハマボウの種は漂流漂着系で、河口を離れて水面に落ちた後、漂流していきます。川だけでなく、海へも旅立っていきます。この種子の特性によって分布が広がったと考えられています。ハマボウが有する多様な機能はグリーンインフラとして地域の防災にも役立っています。ハマボウは汽水域の水際に根を張ることができる、塩分に強い陸上植物です。水面ぎりぎりに生育して、河岸や海岸が波や流れで浸食されるのを防ぎます。九州沿岸には、集落の周辺にその特性を活かしたと思われる水辺があります。清野准教授は花を手にとり、青空に映える黄色の花を見上げながら、また河川を指しながら、ハマボウの植生と特性、その不思議と魅力を参加した親子に伝えました。
当日は天気に恵まれ気温が高く日差しが強い中でしたが、参加した小学生はとても元気がよく、また好奇心も旺盛で清野准教授の説明をよく聞き取っている様子でした。植物だけでなくトンボを捕まえたり興味は尽きません。ハマボウはまるで満開とも言えるくらい沢山の花をつけていましたが、ハマボウの花は朝咲いて夕方しぼむ1日花です。翌朝にまた新たな花を次々につけます。儚い夏のハマボウの美しさに、子どもたちも、参加のお父さんやお母さん、おじいちゃんも感動しました。
泉川はまぼうの会
ハマボウは泉川一帯に約730株以上が群生している落葉低木です。保全活動は平成9年に発足し27年間続いています。護岸工事や河川改修などで、川がコンクリート化されハマボウが姿を消してしまうことを危惧し、保全活動を始めたのがきっかけです。その後も有志たちが思いを引継ぎ、今では市の花、シンボルカラー(黄色)となり、そして市のバス「ハマボウ号」としても広く知られています。泉川はまぼうの会は泉川の清掃活動をはじめ、散策マップを作成するなど保全活動を行ってきました。現在は会員は15名ほどで、月一回、月末に清掃・ごみ拾いを実施しています。草刈り機を使って雑草を払うほか、ハマボウに巻き付くつる性の植物を刈り取るなど、1時間以上かけて作業を行います。以前より量は減りましたが、空き缶やペットボトルなどで袋いっぱいになります。また、自転車のような大型の不法投棄もあるそうです。会員間の温かい人間関係も会の継続の理由になっていますが、この会の次代への継承を引き続き見守って応援したい気持ちでいっぱいになりました。
【インタビュー】環境省自然公園指導員などの経歴を有する平野照実氏
清野准教授と平野照実氏の対談は、九州大学うみつなぎのホームページにもアーカイブがございますので、ぜひご視聴ください。(https://umitsunagi.jp/report/475)
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