九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、2023年12月4日(月)〜12月5日(火)に三池工業高校との共同で行なっている有明海での環境DNA調査について、九州大学伊都キャンパスで開催された第6回環境DNA学会九州大会にてポスター発表を致しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベント概要
開催概要
第6回環境DNA学会九州大会
日程
2023年12月4日(月)~2023年12月5日(火)
開催場所
九州大学伊都キャンパス椎木講堂
参 加 者
202名(内高校生15名)
主催
一般社団法人環境DNA学会
実施レポート
2022年から地元有明海の生物調査を実施
環境DNAは、水の中に漂っているDNAを調べるだけでそこに居る(居た)生物をおよそ把握できるという、先進の技術です。
九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターと福岡県立三池工業高等学校科学探究同好会のメンバーは、有明海の環境と資源の状態を知るために2021年からこの先進技術の環境DNAを取り入れながら毎年合同で調査を行っています。調査では、実際に水揚げされている地元の市場の魚種や漁獲量、環境DNAでは海水をステリベクスという濾過フィルターにかけて水中のDNAを採取し、その後九州大学でDNAを抽出した後、分析センターで解析をしました。
三池工業高校との共同調査についての以前のレポートはこちらをご覧ください。https://uminohi.jp/eventreport/2022_kyudai_dna1112/
本格的な学会に参加して多くの学びと刺激を受けました
発表タイトルは「有明海の海洋生物の生態調査 〜環境DNA調査と魚市場調査などから環境問題を探る〜」と題し、環境DNA調査と魚市場の情報・過去の文献情報・漁師さんの聞き込み調査の結果を比較することで、有明海の資源状況・環境問題についての考察を発表しました。
調査年数がまだ少なく、環境問題を捉えるにはまだ不十分なデータではありましたが、発表では主に激減しているアナゴについて着目し、稚魚の出現場所の変化や海流の変化について議論をしました。発表を視聴した参加者から多くの質問やアドバイスをいただき、今後の調査計画、解析の改良などのポイントを得ることができました。
参加した三池工業高等学校の生徒さんは、多くの学びと刺激を受けたようで、今後の活発な活動と成果が期待されました。
ポスターセッションを経験した高校生からの声
・他の研究者の発表を視聴することで、環境DNAの活用方法を学ぶことが出来ました。
・自分達の研究の新たな見方について考えるきっかけとなりました。
・日本の環境の現状や今後どんなことが起こるのか、どんな対策を行うのかなどについて大変興味が湧きました。
・異なる専門知識を持った方々が同じテーマについて議論をすることで深みが増し、聞いているだけでも環境DNAの学びの深さを知ることができました。
参考資料
研究発表のポスターです。
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