REPORT
2024/03/05
2024/03/05

【2024年2月25日】第32回 海辺の教室 in福岡・生の松原~ビーチクリーンから砂浜の科学への第一歩~を開催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、これから課題研究を始める高校生を対象に、ビーチクリーン活動と共に、身近な海辺が秘めている研究テーマを見いだし、海辺への興味関心を高めていくことを目的として、2024年2月25日(日)に『第32回 海辺の教室 in福岡・生の松原~ビーチクリーンから砂浜の科学への第一歩~』を開催いたしました。

九州大学うみつなぎは、これまで様々な学校と連携し、若年層の海洋教育の実践に取り組んで参りました。

福岡県立城南高等学校とは、2021年11月14日に開催した第7回海辺の教室(https://uminohi.jp/eventreport/2021_kyudai_nogita1114/)を皮切りに、2022年4月に熊本市で開催された”アジア・太平洋水フォーラム”においてのブース出展(https://umitsunagi.jp/report/939)などで連携を深めてきました。

福岡県立城南高校では、スーパーサイエンスハイスクール指定校として、学校をあげて科学技術人材の育成に取り組んでいます。今回のイベントでは、ビーチクリーンや海辺での自然観察、自然のメカニズムについての学習を通して、課題研究の題材探しを行いました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

 イベント概要                                    

開催概要

これから課題研究を始める高校生を対象に、ビーチクリーン活動と共に、身近な海辺が秘めている研究テーマを見いだし、海辺への興味関心を高めていく。

日程

2024年2月25日(日)9時30分~12時00分

開催場所

生の松原海岸(福岡市西区)

参加者

9名

協力

福岡県立城南高等学校(https://jonan.fku.ed.jp/Default1.aspx

実施レポート

【ビーチクリーン】観察しながら拾ってみよう!

福岡の海岸は、漂流ごみが絶えず流れ着く問題を抱えています。その問題を根本解決へと導いて行くためには、”なぜこのごみが海に流れ出たのか”を考え、私たちの生活の在り方を見直していく必要があります。

漂着ごみを観察をしながら拾うことによって、ストローや食品容器、文房具など、私たちの日常生活で使用されるのもが大多数を占めていることを感じることができました。また、その多くが故意に捨てられたものではなく、いつの間にか落としてしまい、ごみになったことも考えられると認識を深めました。

海岸に落ちているのはごみだけではありません。生の松原の海岸線には白い粒のようなものがたくさん点在していました。遠目では発泡スチロールのくずのように見えていましたが、近くで観察してみるとたくさんの貝殻が落ちていることがわかりました。サルボウガイやナミマガシワなどの普通種だけではなく、ビョウブガイ(福岡県絶滅危惧1A類)や、ハボウキガイの幼貝など珍しい貝殻も観察でき、博多湾の豊かさを知ることができました。

【学習】注目!身近な環境の中に潜むサイエンス

九州大学うみつなぎ統括プロデューサーである清野聡子(九州大学准教授)は、工学研究院の土木工学に属しています。専門分野の見識をもとに、波の起こるメカニズムや、波が砂浜に残す紋様から読み取れる自然の情報、小規模河川の河口が海の波に押し戻され蛇行しながらラグーンを形成している様子、国の天然記念物に指定されている含紅雲母ペグマタイト(巨晶花崗岩)に含まれる鉱石の結晶や、それらが誕生するまでの過程など、わずか900mの海岸線のなかで様々な自然現象について解説を行いました。

清野先生の解説に耳を傾ける生徒は、「普段何げなく見ていたものがこんなにも奥深いものだとは知らなかった。見識が深まった。」と感想を述べていました。

参加した高校生・教員の声

・文化や川、海、地質のことなど多岐にわたってお話をしていただけて、視野が広がる時間になった。
・自分たちだけでビーチクリーンをするだけでは得られない知識や経験をさせていただいた。
・海に行っても普段見ないような岩や石、貝殻などじっくり見れて楽しかった。
・いろいろな歴史を学べてよかったです。また参加したいと思いました。
・普段は何気なく目にしていた景色や貝殻への見方が今回のイベントを通して大きく変わりました。
・以前よく行っていた場所を新しい視点で見ることができて面白かった。
・ごみ拾いだけでなく、清野先生から海について教えていただき、とても勉強になりました。