REPORT
2025/01/07
2025/01/07

【2024年11月23日】高校生による玄界灘沿岸ビーチコーミング大会&シンポジウム~地元が生んだ元祖漂着物博士・石井忠氏から学ぶ!~ を開催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、地元が生んだ元祖漂着物博士こと石井忠氏の功績と玄界灘沿岸のビーチコーミング文化を次の世代に引き継いでいくことを目的に、2024年11月23日(土)に、『高校生による玄界灘沿岸ビーチコーミング大会&シンポジウム~地元が生んだ元祖漂着物博士・石井忠氏から学ぶ!~』を開催いたしました。

福岡の玄界灘沿岸部は、対馬暖流の影響によりアジア諸国からも漂着物が集まります。漂着物学会創始者である石井忠先生も玄界灘の漂着物に魅了されたひとりです。石井先生が遺した足跡や漂着物コレクションを、地域の宝として次の世代へと繋いでいくために発足した『玄界灘沿岸ビーチコーミング大会』も今年で3回目を迎えました。これまでにこの活動の中核を担ってきた一般社団法人九州のムラ、九州大学うみつなぎ、一般社団法人くらげれんごう代表理事・山崎唯氏とで新たに”玄界灘ビーチコーミングの会”を結成しての初めての開催となります。

今回は、福岡県立新宮高等学校を拠点に、新宮海岸でのフィールドワークとシンポジウムを行いました。 このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要

開催概要

地元が生んだ元祖漂着物博士こと石井忠氏の功績と玄界灘沿岸のビーチコーミング文化を次の世代に引き継いでいくことを目的に、高校を対象としたビーチコーミングをテーマとしたフィールドワークとシンポジウムを開催。
◎ビーチコーミング大会/フィールドワーク
日時 : 2024年11月23日(土)10時~12時
場所 : 新宮海岸
参加者: 52人
◎シンポジウム
日時 : 2024年11月23日(土)13時~15時30分
場所 : 新宮高等学校
参加者: 49人

講演者

田辺 一城氏 古賀市長
亀井 裕介氏 やながわ有明水族館 名誉館長・佐賀大学農学部 2年
木下 英生 九州大学大学院工学研究院(九州大学うみつなぎ)テクニカルスタッフ
山崎 唯 氏 一般社団法人くらげれんごう 代表理事

コーディネーター

清野聡子 九州大学大学院工学研究院 准教授(九州大学うみつなぎ統括プロデューサー)

主催者代表挨拶・総合司会

養父信夫氏 一般社団法人九州のムラ 代表理事

主催

玄界灘ビーチコーミングの会

共催

福岡県立新宮高等学校(https://singu.fku.ed.jp/)、九州大学うみつなぎ(https://umitsunagi.jp/

協力

一般社団法人くらげれんごう(https://kurage-rengo.com/

後援

株式会社三好不動産(https://www.miyoshi.co.jp/

イベントレポート

【フィールドワーク】高校生が出題するクエストミッションに挑戦!   

ビーチコーミング大会では、初心者でもゲーム感覚で漂着物探しを楽しめるようにクエストミッションを設けて運営しています。今年度は、日常的に新宮海岸で漂着物調査を行う新宮高校の生徒が、参加者の漂着物探しの目を養うため指定する漂着物を探しながら、生き物がより生きやすい環境に戻すためのビーチクリーンを行うミッションを考えだしました。

途中雨が降り出し、30分早く切り上げることになりましたが、短い時間のなかでも高校生たちはクエストミッションを頼りに注意深く海岸に落ちているものに目を凝らしながら観察をしていました。またクエストミッションのには、たくさんのごみを拾うこともゲームのルールとして設けられており、この日は総勢52人の手で95.65kgの海岸ごみを回収することができました。

クエストミッションで上位に入賞したチームには、”一般社団法人くらげれんごう”より海洋プラスチックを素材に用いたアクセサリーやボールペンが進呈されました。 ビーチコーミング大会の様子は12月20日の西日本新聞福岡版に取り上げていただきましたので、ぜひご覧になってください。(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1295385/

【シンポジウム】3年目の快挙!石井忠氏秘蔵コレクションに新たな動きが  

午後のシンポジウムには、故石井忠先生の自宅ある古賀市から田辺一城市長、古賀誠視議員、古賀市教育委員会教育部桐原部長も駆けつけてくださいました。これまでの3年間の私たちの働きかけを受け、古賀市は、ご家族が大切に保管し続けてきた石井先生の漂着物コレクションを引き取り、新たに展示で展示できる施設の準備を進めているという嬉しいニュースを公表してくださいました。発表の際には、市が保管する石井先生の生前のお写真をいくつもお披露目くださいました。

シンポジウムに後半では、現役大学生ながら”やながわ有明水族館”の名誉館長の肩書きを持ち、高校生の頃から生き物の調査や研究を培ってきた亀井裕介さんに、生き物の魅力や高校生だからこそできることなど、ご自身の経験に基づいた発表を行っていただきました。

九州大学うみつなぎの木下からは漂着物探しの面白さや、漂着物から歴史や政治を読み取る事例を紹介しました。一般社団法人くらげれんごうの山崎氏から海を守る活動に至った経緯や、ポイントが貰えるごみ拾いアプリ”YUIMAALU”についてご紹介をいただきました。

集まった高校生たちは、自分と年齢の近い亀井氏の話に特に感化された様子で、自分自身を投影するような眼差しで話に聞き入っていました。

最後の総括として、九州大学うみつなぎの清野より、玄界灘の素晴らしさと、その一方で海岸浸食で砂浜が削られている危機的な状況が迫ってきていることに目を向けて欲しいという想いが語られ閉会となりました。

この日のシンポジウムは11月24日の西日本新聞福岡版に取り上げていただきましたので、ぜひご覧になってください。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1285320/

<団体概要>

団体名             :九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センター
URL                     :https://umitsunagi.jp/
活動内容            :九州大学うみつなぎは、中高生に対する海洋教育を通じて国際的に活動できる「海の精鋭」を育成する活動を行っています。日本財団 海と日本プロジェクトの補助事業として、九州大学が主催し、九州を中心とした各学校・関連団体・沿岸地域との協力体制を築きつつあります。「海の総合知」を目指し、特に海洋ごみ問題に積極的に携わり、地域から国内、国際をつなげています。磯焼け、漂着生物、海洋地形もテーマです。

日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

<お問い合わせ先>

団体名:九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センター
担当者:木下・清野
電話番号:092-802-3437(九州大学生態工学研究室)
メールアドレス:contact@umitsunagi.jp

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