<概要>
九州大学うみつなぎ「筑紫丘高校ラグビー部・初めてのビーチクリーン体験 ~海と日本プロジェクト~」を福岡市西区唐泊にて行いました。
福岡市の中でも海から離れた南区に位置する筑紫丘高校のラグビー部を招き、総参加者25名によるビーチクリーン活動に加え、漂着物から垣間見られる海洋生物の生態の観察や、海流が福岡にもたらした文化伝来による恩恵の再認識など、多角的な環境学習を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
海岸清掃の後は、美しくなった砂浜でトレーニングを行い、海や砂浜により親しむ時間を持ちました。
【海辺の教室とは?】
海辺の教室は、海の生き物に触れたり、ビーチクリーン活動を行ったりすることで、海のことをより深く知ることができる現地教室です。2020年の第1回目から、中高生と共同で、さまざまな形で行ってきました。
イベント概要
・開催概要
ビーチクリーン活動を通した環境学習と、自分たちの手で美しくした海岸でのトレーニングの
実施
・日程
2022年3月25日 9時00分~13時00分
・開催場所
福岡市西区唐泊(唐泊VILLAGE)
・参加人数
筑紫丘高校ラグビー部
男子部員(17名)
マネージャー(3名)
顧問(2名)
九州大学関係者(2名)
唐泊VILLAGE関係者(1名)
計 25名
・協力
福岡市西区役所西部出張所庶務係、福岡市漁協組合唐泊支所、唐泊VILLAGE
実施内容
コロナ禍からだからできたこと
通常であれば、春の新人戦に向けてより一層厳しい練習を重ねていたはずの高校生達でしたが、令和4年1月27日から3月6日まで福岡県では「まん延防止等重点措置」が発令され厳戒態勢が続いていました。
解除された以降も、感染再拡大防止対策期間が設けられ、福岡県下の各高校は、部活動での合宿や練習試合など、対外的な活動の自粛の要請を受けていました。
今回、合宿や練習試合に代わる体験の場を求めたラグビー部メンバーの願いと、私たち九州大学の海洋教育プロジェクトとが合致し、関係者を最小限に抑え、オープンエアーな環境の中でのイベントを執り行うこととなりました。
出会いのきっかけはホームページから
2022年2月28日、九州大学うみつなぎのホームページに一件の問合せが寄せられました。
「ももち浜でクリーンアップをしようとしていますが、詳しくお話を伺えると聞いたので、問い合わせさせていただきました!」(高校生ボランティア団体リレート代表:冨永陽仁)
私たちが活動の拠点を置いている福岡県は、全国でも唯一、政令都市を2つ有する特殊な地域です。
一口に博多湾と言っても、各海岸によって管理する窓口が異なり、海岸ごみを回収するルールも異なります。「この海岸でビーチクリーンをするためには、どこで許可をもらえばよいのだろう?」という悩みはビーチクリーン初心者にとってハードルが高く、ボランティア活動を始めてみたけれども長く続けることができない原因にもなっています。
困った彼らは、昨年度私たちが開催した「第4回海辺の教室 川と海のつながりで【ゴミ】を考えてみよう!」において、ももち浜でビーチクリーンを行ったことを知り、連絡を寄せて下さいました。
その後、ももち浜での問い合わせ窓口を教えたり、ボランティア活動での注意点をやり取りする中で、私たちの海洋教育活動にも興味を持って下さり、今回のイベント開催に至ることとなりました。
ビーチクリーン活動
今回のビーチクリーン活動は総勢25名で行い、20袋、900Lの海洋ごみと7個のポリタンクを収集しました。9時30分から11時までの時間の中で、清野准教授によるミニレクチャーなどを交え、様々な気づきや楽しみを見つけながら活気のあるビーチクリーンとなりました。
子供の頃以来、久しぶりに海に訪れたという生徒も多く、マスクを外し潮風を胸いっぱいに吸い込んでいる姿が印象的でした。
漂着物から垣間見られる海洋生物の痕跡や、鳴き砂の体験・ミニ講座
ひとたび海岸に目を落とすと様々な教材が転がっています。九州大学うみつなぎのプロジェクトリーダーである清野聡子准教授が紡ぎ出す専門知識により、これまで学校で習ってきた勉強を三次元で体感することとなりました。
漂着物に付着したエボシガイやカキ類の殻、発泡スチロールを住処とした穿孔貝の痕跡。それらからはどれだけ長くそのごみが漂流してきたかを読み取ることができます。
また、この唐泊の海岸も石英質を多く含んだ鳴き砂であり、なぜ砂浜が鳴くのか、山と海との密接な関係などのミニレクチャーに目を輝かせて頷いていました。
綺麗になった砂浜!裸足でトレーニング!
海岸清掃を終え、待ち焦がれていたかのように生徒たちは裸足になりました。各々に思うがままストレッチを始め、嬉しそうに顔を見合わせています。慣れない砂浜に足を取られ、よろけながらも笑顔で駆け抜けていきます。これまでのうみつなぎイベントには無かったエネルギッシュな姿に私たちも胸を熱くして彼らのトレーニングを見守りました。
ラグビーのポジションはそれぞれ役割が違い、体格や性格、ひとりひとりの個性に合ったポジションがあります。ラグビーはだれもが必要とされる競技だと顧問である中村先生は、私たちにラグビーの素晴らしさを語って下さいました。
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