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2024/12/31
2024/12/31

うみでつながる 2025年によせて

新年あけましておめでとうございます。
 昨年も、多くの海辺の教室、催事、共同調査で、海つながりの多世代の方々にたいへんお世話になりました。心よりお礼申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。

 意欲溢れる高校生の調査と実践活動が、地域に多世代の「まなび」の場をつくっています。地域の面白さを掘り下げる「まなび」が、一緒に行動する大人たちを励起し、静かに改革が進んでいる現場を訪ねることが出来ました。秀でた小中学生が海の調査を行い、総合知的な展開をしています。高校時代の実践から国内の大学に進学した方々は、継続が見える力になってきています。

 また、専門的な分析への参加も増えており、小学生、高校生、アーティストが自分の試料や標本を高度機器で分析しています。その姿は、まさに研究の原点です。さらに「まなび」を発展させた「しらべる」では、社会で形にしていく力は年齢も立場も関係ないと、再認識しました。うみつなぎの活動を通じて、研究教育機関としての大学の在り方を見直しています。

 地域での活動を国際的な場につなげる道も少し見えてきました。第3回アジア太平洋水サミット(日本・熊本 2022年)から、「国連水会議」(米国・ニューヨーク 2023年)、「世界水フォーラム」(インドネシア・バリ島 2024年)への参加と、一歩ずつ階段を上がってきています。
 地球の未来を決める国際的な意思決定では、世界から集う若者の意義ある参画が始まっています。今年は「国連海洋会議」(フランス・ニース)への日本の若者の参加を目指します。

 分野を超えた参加型調査の「超域うみしらべ」もいよいよ始まりました。砂浜の侵食、海ごみ、漂着物、海岸生態系と、今年は方法論をつくっていきます。
 本当に一歩一歩ですが、今年も海つながりの皆様と、海の面白さの躍動感を原動力に解決にむけた実践も、という良き循環をつくっていきたいと思います。

 皆様にとって、この1年が、幸多き時となりますよう祈念しております。

令和7(2025)年 元旦
九州大学うみつなぎ 統括プロデューサー 清野聡子