2023年8月10日に、九州大学 にて開催された海の学びステップアップの発表です。
発表者:福岡県立新宮高等学校理数科 2年生
発表要旨
私たちは高校の近くにある新宮海岸で漂着物や生物などについて調査を行っています。海岸に行った際に、足にチクっとする感覚に疑問を感じたことから、噛んで来る生物について、生態やどのようなものに集まるのかを調査しました。
新宮海岸は玄界灘に面しており、対馬暖流や博多湾からの潮流によって多くの生物が生息する環境です。そのため、生物の生息環境が高低差によって隔絶しないように、波打ち際と植生が穏やかにつながっている場所を選び、植林側と海側の植生、砂浜、海の浅瀬の計4地点で調査しました。
調査方法は、海に漂着する代表的な生物であるマイワシとワカメ、甘い匂いが強いバナナを使ったトラップを作り、7時間放置して生物を採取するというものです。一番においの強いマイワシに生物が多く集まり、匂いの弱いワカメにはあまり集まらない、バナナは植生で多く生物を集めると予想しました。
砂浜のマイワシの餌には、ヒョウタンゴミムシや、ガムシ、クモが、海の浅瀬のバナナにはスナホリムシの仲間やアミ類の仲間と考えられる生物が集まりました。集まった生物の合計は、ワカメの時が4匹、マイワシの時が12匹、バナナの時が20匹と他の二つと比べ、匂いの少ないワカメが一番少なかったことから、集まった生物は匂いに引き寄せられたと考えられます。また、マイワシは砂浜に集まった数が少ないのに対し、バナナは全体的に集まっていることから、マイワシは植生の生物を集めににくいが、バナナはどの環境でも生物を集めやすいと考えられます。
今後の展望として、実験の試行回数を増やしたり、においを拡散させる風についても考えたりして、考察の信憑性をあげたいです。また、におい以外の要素によって引き寄せられた可能性がないか調査したいです。動機の噛んでくる生物について、今回の実験で採取したスナホリムシの仲間が該当する生物か確認することができなかったので、引き続き調査していきたいです。
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