2023年8月10日に、九州大学 にて開催された海の学びステップアップの発表です。
特別発言1
エコユースやつしろ 代表 松浦ゆかり 様
発表概要
エコユースやつしろは、水環境や干潟の知識を学び、環境保全活動を行う団体で、高校生を中心に60名が参加しています。
2023年に行われたアジア太平洋水サミットでは、国土交通省八代事務所のブースで八代をアピールしました。この企画は4年前に立ち上げ、樋門や八の字、干潟へ専門化と一緒に現地に出向き、まずは地域のことを知っていこうということから始めました。
地域を知ることからはじめて、大人も知らないことを一緒に学んでいこうと、世代間交流、地域ヒアリングを行っています。高校生に伝えるために、プロの講師を呼んで、オンラインでの講習や、現地に出向く実地体験を年間20項目ほど行います。体験活動をすることで意識が他人事ではなくなります。多くの情報を手に入れられる時代ですが、情報は自分の耳でとらえ、自分の考えを持って話せるように伝えています。
水フォーラムの動画作成も行いました。半年かけて制作し、英語で作っているので、英語の勉強にもなっていますし、地域に詳しい子に育ってきています。
地元のテレビやラジオにも積極的に出演しています。どんなことを感じて、何を学んだかを発表することで、活動の振り返りができます。
今後は私の活動を引き継いでくれるメンバーが育ってくれると嬉しいです。
特別発言2
福岡市今津公民館 主事 木下志穂様
発表概要
福岡市は1つの小学校につき1つの公民館があります。私は福岡市今津公民館で地域の方に向けた主催事業を企画運営しています。
清野先生には海のイベントでお世話になっています。先日開催された、今津の石と砂を知ろうという企画は、子どもから高齢者まで大勢の方に参加していただき大盛況でした。
先生には、学生の紹介もしていただいています。学生と一緒に貝殻の標本をつくったり、干潟の観察会をしたり、しばたみなみさんに講師をしていただいて貝殻でアート作品をつくったりしています。学生団体のMaiPLAも来てくれて、何年も公民館事業に関わってくれるようになりました。
学生が来ると、魅力的な意見が出るようになり、イベントでは活気も出て、子どもたちもとても喜ぶようになりました。学生にとっては地域の方との関わり方を知り、さらに学びを深めることができます。国際交流、山の観察会など、学生主体で行う事業もあり、私も学生たちから得るものもあります。
大人のほうも多くの気づきをもらえるので、今後も、学生と公民館と一緒に楽しく事業がしていけたらいいなと思います。
特別発言3
五島自然塾 代表 永冶克行 様
発表概要
10年ほど前に五島列島をジオパークにする運動を始め、昨年、認定を受けました。
以前からビーチクリーンをやっていましたが、ジオパークの認定を受け、きれいな所、きれいな海にしたいという思いから、本格的に活動を始めました。海ごみ清掃の機会を作ると、いろんな方が集まってきます。積極的に清掃活動をやりたい人も出てきて、当初は30名ほどでしたが、現在は子どもも参加して50名ほどが集まるようになりました。喜んでやろうという人も増え、驚いています。
ジオパークの地形や地質を学ぶと、どうしてきれいなのか説明ができるようになり、やっているうちに楽しくなってきました。海ごみ清掃の掃除した時の喜びでやっていますが、やっているうちに楽しくなるといいです。
特別発言4
国際協力機構九州センター(JICA九州)国際協力推進員 堀 美幸 様
発表概要
国際協力機構(JICA)とは、開発途上国の社会や地域の課題を、日本の技術や資金で解決できるような取り組みで、それを通じて日本や国際経済社会の発展に寄与できる事業をすすめています。本日は、新しい取り組みである、外国人材受入支援、地域多文化共生推進の説明をしたいと思います。
多文化共生とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくことです。このような定義がなされる中で、地域おこしの中において、外国人も地域の構成員だという話が進んでいます。様々な省庁が関わり、日本各地で増えている外国人について考えようという動きがあります。その背景として、日本の人口の減少が挙げられます。一方で外国人の人口は307万5123人で調査開始以来最大の増加幅です。国籍・地域の数は195、活動は29種類の在留資格で制限されており、外国人労働者は過去最高で182万人です。地域としては外国の方に頼らざるを得ない状況が起こっていますが、政府が掲げた目標GDPを達成するたには、将来多くの外国人労働者が不足するといわれています。
五島市においては、279人の外国人のうち、223人が働いています。五島市の産業を支える一員といえますが、これらの多くは地域の方には知られておらず、市や企業などとの連携により、地域住民の意識啓発や交流をすめていきたいと思います。
私たちにできる多文化共生としては、日本語や英語がわからない人にも情報がきちんと伝わっているかを意識して、身近に多くの多国籍の方が住んでいることを伝えることです。そして、やさしい日本語を使い、災害が起こった時などは情報をつなげるということです。やさしい日本語とは、敬語を使わずシンプルに、文を短くして簡単に伝えることです。これは有事だけでなく、普段から制度や文化を理解してもらうためにも大切です。やさしい日本語は外国人だけでなく、子どもや高齢者にもやさしい言葉です。みんなでやさしい日本語を使えるようにしていきたいなと思います。
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