イベント概要
2020年10月18日、第2回海辺の教室を開催しました。糸島市の福吉中学校、糸島高校の生徒・計24名を中心に総勢45名の方にご参加いただきました。今回はオンラインライブ配信も同時に行い、来場できない方にも開催の様子をご覧いただきました。
実施日時:2020年10月18日(日)
催事名:九州大学うみつなぎプロジェクト 第2回海辺の教室 鳴かせてみよう〜不思議な鳴砂〜
内容:第1部 14:00〜14:00 座学 第2部 15:05〜16:15 ワークショップ
第1部 座学
第2回は座学と現地ワークショップの2部構成で実施しました。 第1部は、福吉コミュニティセンターにて座学を行いました。はじめに福吉コミュニティセンターの姫野館長より、 姉子の浜の過去の歴史を振り返りつつ、次の3つの疑問点を投げかけました。
①砂がなぜなくのか?
②砂が鳴く為にはどのようなことをしているのか?
③これから何をしなければならないのか(課題)?
次に、九州大学清野聡子准教授より、 「鳴き砂を知る」を目的に、波の力による砂を洗う現象、 砂やゴミが堆積したり漂着する仕組みなど、学術的視点からの講義を行いました。 また、姉子の浜の砂がピンク色を帯びている理由や 背後の脊振山系との関連性についてもお話ししました。
続いて、現役サーファーや海ゴミアート作品を手がける本プロジェクトのクリエティブチームメンバーより、サーフィンと自然のつながりや漂着する海ゴミに関する考えなどを参加者と共有し、 自然界と人との暮らしの関わり方について幅広く学ぶ時間をとりました。
硬くなりがちな環境問題の話題だけでなく、サーフィンやアート作品の話を交えたことで、参加者は環境問題について身近に興味深く感じていただく機会となりました。
第一部終了後、シャルバスを使って姉子の浜へ移動しました。 道中バスの車内ではペイントクリエーターしばたみなみさんより、作品に触れながら海ゴミ問題の啓発を行いました。
第2部 ワークショップ
第2部は鳴き砂が現存する姉子の浜(糸島市二条町鹿野)で実際に砂を鳴かせるワークショップを行いました。
清野准教授からの解説を交えながら、山からの砂の流れ込み、 鳴き砂を鳴かせる体験、波打ち際でモノが漂着する仕組みなどの体験。参加者の子どもたちも花崗岩・石英の実物を手に取りまじまじと観察しする様子が印象的でした。鳴き砂を守る会の横尾会長に砂の鳴らし方を教わりながらの体験は参加者全員が楽しみながら学ぶことができました。
鳴き砂となるための条件は、一般的に水晶の含有率が70%以上必要とされていますが、姉子の浜は石英の含有率が89%、その粒子が0.3mmと大きく、 国内でも稀な環境としても有名で、1級の鳴き砂を体験することができます。
人の生活の変化と各種開発事業などで一度は鳴かなくなったこの砂浜が平成5年に再度鳴き出しました。これは全国でも初の出来事で、このことがきっかけとなり「姉子の浜の鳴き砂を守る会」が設立されました。1998年(平成10年)7月、二丈町時代の天然記念物として文化財指定を受け、 現在も糸島市の文化財指定が継続していることも知ることができました。
鳴き砂が良く鳴くエリアは、自然も一緒に残っています。 砂浜のうしろに、こんもりとした砂丘があり、草が自生しています。根が張る力で砂を固定しているため、砂が溜まっていきます。
また、波が砂浜に上がるたびに、水と砂を混ぜ返しています。そのたびに波は砂を洗うため、 姉子の浜は泥土がたまらず、さらさらとした砂が残っています。
この貴重な姉子の浜の鳴き砂を守っていくために毎月校区の方で清掃活動を続け、 姉子の浜の今と今後の未来を守ろうと活動をされています。身近な福岡の海に、国内でもトップクラスに貴重な鳴き砂の砂浜があること、そして、その大切さを「体験」と「知識」の両面からお伝えすること、これらを体験を通して、多くの学びを届けることができました。
ワークショップ終了後は、参加者全員でビーチの清掃としばたみなみさんの海ゴミアートのお話を行いました。一日を通して、楽しみながら海と人との関係、これからの自然との共生の方法を考えるきっかけを作れたと思います。
参加いただいた方には、後日、修了証と集合写真をお送りしました。またこの日のことを振り返り、思い出していただければと思います。
たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。糸島二丈福吉のみなさま、大変お世話になりました。
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