REPORT
2023/09/02
2023/09/02

KITSUKI 海辺のフェスティバル 共催『第22回 海辺の教室 in大分・杵築』~守江湾の海の生物勉強会~を開催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、多世代が地域の海の歴史や環境について学ぶことを目的に、2023年8月5日(土)、住吉浜リゾートパークにて、『第22回 海辺の教室 in大分・杵築』~守江湾の海の生物勉強会~を開催いたしました。

大分県杵築市の守江湾は、カブトガニなどの希少種の生息地や渡り鳥の渡来地として重要な拠点であることから「生物多様性の観点から重要度の高い海域」として環境省に指定されています
https://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/kaiiki/engan/14103.html

杵築でのカブトガニ保全や、子どもたちの自然体験教育に深く関わってきた綿末しのぶ氏(大分県環境教育アドバイザー)をゲスト講師に迎え、杵築の海の歴史や環境について学びながら、海の豊かさ、海辺を歩く楽しさを地域の方々に伝えることができました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要

開催概要

住吉浜リゾートパークが主催する”KITSUKI 海辺のフェスティバル”の一環として、九州大学うみつなぎが協働し、親子でのビーチコーミング(海辺の宝さがし)体験や、生物勉強会を通して多世代が地域の海の歴史や環境について学ぶ。

日程

2023年8月5日(土) 9時30分~12時30分

開催場所

住吉浜リゾートパーク

参加人数

子ども3名、保護者7名 合計10名

講師

清野聡子(九州大学准教授・九州大学うみつなぎ統括プロデューサー)

綿末しのぶ氏(大分県環境教育アドバイザー・八坂かっぱクラブ実行委員長)

解説者

釘宮浩三氏(社会福祉法人博愛会・住吉浜リゾートパーク園長)

共催

社会福祉法人博愛会・住吉浜リゾートパーク(https://sumiyoshihama.com/)

協力

杵築市役所農林水産課水産係

内容

住吉浜でビーチコーミング!

住吉浜リゾートパークは、守江湾を包み込むような形をした砂嘴(さし)の上に立地しています。砂嘴の内側の守江湾には生きもののゆりかごと呼ばれる干潟が広がり、砂嘴の外側は日本海と太平洋を結ぶ豊後水道が流れています。

今回、九州大学うみつなぎを招いて下さった住吉浜リゾートパークの園長である釘宮氏もビーチコーミングの楽しさに魅了されたひとりです。釘宮氏はアマモの切れ端を拾い上げて、自然界におけるアマモの重要な役割や、正式名称、名前の由来、昔話との関わりなどの豆知識を披露し、海岸に落ちているものひとつひとつを丁寧に解説してくださいました。ご参加いただいた方々は目を輝かせてビーチコーミングを楽しんでいました。

守江湾の海の生物勉強会

ビーチコーミング後は同施設の”海辺の小さな博物館”へと場所を移し、守江湾の海の生物について勉強会を行いました。博物館は改装中であったものの、壁面には研究者から寄付された大分で水揚げされた魚類のパネルや、年代を追った守江湾周辺の地形の変遷がわかる航空写真が展示されていました。(近日オープン予定)

ゲスト講師の綿末しのぶ氏からは、カブトガニの生態や雌雄の見分け方、カブトガニが生きていくうえで必要な自然環境について説明が行われ、さらにはこの日の為に杵築市役所水産課が、生きたカブトガニの2齢幼生を届けて下さり、小さな幼生を手のひらに乗せて観察できる貴重な体験をすることができました。

子どもたちは数ミリの小さな命に触れ、小さいながらもしっかりとカブトガニの形をした姿に感動の声を上げていました。

思い出を形に!漂着物でクラフト体験!

海の生物勉強会後は、同施設のクラフトルームにて住吉浜のビーチコーミングで手に入れた漂着物を使ってフォトフレームの装飾を体験しました。グルーガンなど初めて使う工作用具に手間取りながらも、子どもだけではなく保護者の方も思い思いにクラフトを楽しまれている姿が印象的でした。

制作に勤しむ合間にも釘宮氏の20年にわたるビーチコーミングで集めた資料や貝殻などを見せていただき、感想や質問が飛び交う活発な時間となりました。

イベントの最後には、「とても充実した一日になった。」「身近な海にこんなにも生きものがいることを知れて勉強になった。」「本物のカブトガニを初めて見ることができた。」など嬉しいご感想をいただくことができました。