REPORT
2024/08/09
2024/08/09

【2024年8月7日】第36回海辺の教室 in 福岡・宗像『海辺の宝探し鑑定団 in 海の道むなかた館』を開催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、身近な海辺に流れ着く漂着物を“宝探し”の感覚で観察する経験を通して、未知のものを探究することの楽しさを実感してもらい、海の現状や課題、環境保全の大切さを考えるきっかけになることを目的に、2024年8月7日(水)に、第36回 海辺の教室 in 福岡・宗像『海辺の宝探し鑑定団 in 海の道むなかた館』を開催いたしました。

海の道むなかた館では、宗像市と九州大学生態工学研究室との協働企画「漂着物から学ぶアジアの文化・環境展」が、2024年7月2日から9月1日までの期間限定で開催されています。

(https://searoad.city.munakata.lg.jp/u002/100/20240528132849.html)

この企画展の関連イベントとして、海岸で拾った漂着物を海の道むなかた館にお持ちいただいた方を対象に、九州大学うみつなぎ統括プロデューサーの清野聡子准教授や、海の道むなかた館の学芸員の岡崇様、九州大学うみつなぎの木下英生テクニカルスタッフらによる漂着物の鑑定会を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

当日取材を受けました!

開催当日、KBC九州朝日放送様と宗像経済新聞様が取材にお越しくださいました。記事はこちらから確認できます。

KBC
https://kbc.co.jp/news/article.php?id=13291689&ymd=2024-08-07(リンク切れ)

https://youtu.be/TsMHvfzBMNM?si=E04ol0lvm7Bbmg_8(2024年9月4日追記)
宗像経済新聞
https://munakata.keizai.biz/headline/687/

九州大学うみつなぎでは、メディア様の取材を随時募集しています。

イベント概要

開催概要

海の道むなかた館の夏の特別展示「漂着物から学ぶアジアの文化・環境展」の関連イベントとして、持ち込まれた漂着物や貝殻を鑑定員が鑑定を行い、イベントオリジナルの鑑定書を発行する。

日程

2024年8月7日(水)10時~16時

※同様のイベントを8月20日に開催予定です。詳細はこちらでご確認ください。

開催場所

海の道むなかた館(宗像市)

参加人数

22人

鑑定者

岡崇(宗像市世界遺産課主査・海の道むなかた館)
清野 聡子(九州大学准教授・九州大学うみつなぎ統括プロデューサー)
木下 英生(九州大学工学研究院テクニカルスタッフ・九州大学うみつなぎ)

共催

宗像市教育部世界遺産課

協力

宗像市教育部図書課

イベントレポート

【鑑定会】夏の自由研究!名前を知ることから深まる探求心!

鑑定会には、11組22人から41点の漂着物が持ち込まれました。

持ち込まれた鑑定品には貝殻が多く、海辺を歩く人たちの関心の傾向を見て取ることができました。

鑑定の際には、貝の名前だけではなく、貝殻の見分けるポイントや生態などの特徴の解説も合わせて行いました。中には貝殻と思っていたらキンセンガニの甲羅であったり、ギンカクラゲの円盤であったりと、依頼者の予想を覆す鑑定品もありました。さらに、漂流ごみの人工物に付着した牡蠣の殻、ボールに付着したフジツボなど、漂流物の生態系を示す物も持ち込まれました。

子どもたちの視点から学ぶことも多く、バフンウニの殻を「かぼちゃの赤ちゃん」と名づけた感性にも驚きました。

鑑定会場では、電子拡大鏡を用意して漂着物をより細かく観察しました。コウイカの甲や貝殻に細かい輪紋(成長を示す縞々)があるのが見えました。また、漂流中に着生したと思われるウズマキゴカイの小さな渦巻き形のすみかのチューブなど、肉眼では気づかない生き物も観察できました。

市の図書課の協力の下、子どもたちに向けて”図書を使った調べる学習”のレクチャーも行われ、夏休みの自由研究のヒントになったと大変喜ばれました。

海辺では貝殻だけではなく様々なものを拾うことができますが、九州大学うみつなぎは、子どものうちから自分の知らないものに注目し、それが何であるか探求する心を育んでいただきたいと考えています。

夏の特別展示『漂着物から学ぶアジアの文化・環境展』を開催しています!

海の道むなかた館では、夏の特別展示として、7月2日から9月1日までの期間『漂着物から学ぶアジアの文化・環境展』を開催しています。

https://www.city.munakata.lg.jp/machi_hito_nabi/010/20240612/20240612143400.html

玄界灘の沿岸部は、黒潮から分岐する対馬暖流の影響を受け、アジアの広い地域の植物の種や、近隣諸国の文化的な漂着物が漂着します。それだけではなく、古い時代の土器や陶器のかけらなどの珍しいものも海岸で見つけることができます。

企画展では、1970年代前後に台湾が中国国民に向けて自国の豊かさをアピールするためにビラや日用品を入れて流したとされる珍しい『海漂器』や、農林水産大臣の許可を得ないと所有できないスナメリの骨格標本(九州大学生態工学研究室提供)など、貴重な漂着物資料が展示されています。