九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、九州の水辺での活動に取り組んできたユースが考える『水や海との関り』について、国際的な会議でプレゼンテーションを行い、世界との情報共有と、その発表の舞台に立つユースたちにとって更なる成長の場とすることを目的に、2024年5月21日(火)、インドネシアのバリ ヌサドゥワ コンベンションセンターで開催された第10回世界水フォーラム エキスポ 日本パビリオンにて、九州大学うみつなぎ・遠賀川流域子ども水フォーラム「九州の海と水のまなびが育む地域に根差したユースの進化」を開催いたしました。
世界水フォーラムは、国際NGOである世界水会議(WWC)が開催国と共に、3年に一度開催される水に関する世界最大級の国際会議です。
九州大学うみつなぎは、2020年の発足から、これからを生きるユースの活動を多角的に支援を続け、2022年4月に熊本市で開かれた『アジア・太平洋水サミット』(https://umitsunagi.jp/report/939)、2023年3月にニューヨークで開かれた『国連水会議』(https://umitsunagi.jp/1425)、2023年11月に熊本市で開かれた『ユース水フォーラムアジア』(https://umitsunagi.jp/report/1802)へと、次々に九州のユースを国際的な発表の場へと送り出してきました。
今回のプレゼンテーションは遠賀川流域子ども水フォーラムと合同で行い、90分間のすべてを英語で行いましたが、本番までに幾度となく重ねてきたリハーサルの成果が実を結び大成功を納めました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベント概要
開催概要
第10回世界水フォーラム(The 10th World Water Forum)のエキスポ日本パビリオンにて、日本のユースが考える水や海との関りについて、遠賀川流域子供水フォーラムと共同でユースの活動発表とトークセッションを行う。
日程
2024年5月21日(火) 10時10分~11時40分
開催場所
バリ ヌサドゥワ コンベンションセンター(インドネシア)
参加人数
150名
登壇者
司会進行
冨永陽仁(アースデイ福岡代表・書道家)
上野我唯(アースデイ東京ユース代表)
主旨説明
清野聡子(九州大学うみつなぎ統括プロデューサー・九州大学准教授)
活動発表
堀川咲希子(都留文科大学教養学部 2年・プラスチッくじら)
室原一仁 (九州大学農学部 3年生・一般社団法人maiPLA)
田中祐樹(リンデンホールスクール中高学部・高校 1年)
坂本貴啓(遠賀川流域子供水フォーラム・金沢大学人間社会研究域地域講師)
吉柳航(遠賀川流域子供水フォーラム・九州大学農学部 2年)
小山京士(遠賀川流域子供水フォーラム・九州産業大学地域共創学部 2年)
吉峯雅人(遠賀川流域子供水フォーラム・福岡工業大学社会環境学部 3年)
熊谷拓時(遠賀川流域子供水フォーラム・東京都立大学大学院都市環境科学研究科 1年)
サポート
永田春樹(九州大学工学部 4年)
井上こころ(九州大学共創学部 3年)
福村梨咲(リンデンホールスクール中高学部 理科教諭)
髙木耕太郎( 国土交通省 九州地方整備局遠賀川河川事務所 直方出張所所長)
高橋幸子(NPO法人直方川づくりの会理事)
主催
日本水フォーラム(https://www.waterforum.jp/)
共催
遠賀川流域子ども水フォーラム(https://www3.hp-ez.com/hp/mizubekan/1)
協力
リンデンホールスクール中高学部(https://lindenhall.ed.jp/highschool/)
小倉縞縞(https://shima-shima.jp/pages/forestgreen-oceanblue)
イベントレポート
いざ世界の舞台!インドネシアでの国際発表
世界水フォーラムは複数のセクションに分かれて同時進行で様々な催しが行われていますが、私たちはエキスポ会場の日本パビリオンにて、九州で活動してきたユース本人がそれぞれの足跡をプレゼンテーションしました。
九州大学うみつなぎの二期生、堀川咲希子さんは2021年度、高校生時代に九州大学うみつなぎと共に行った海ごみ川ごみ調査や、研究調査をまとめた図書『解決できなかったわたしたちの問題〜海とごみと高校生〜/ペットルと黒いかげ』の紹介をしました。
九州大学うみつなぎ一期生の室原一仁さんは、九州大学うみつなぎが2020年12月13日に開催した『第4回海辺の教室 川と海のつながりで【ゴミ】を考えてみよう!』(https://umitsunagi.jp/report/243)への参加に始まり、現在に至るまでの継続した活動と人とのつながりの発展を発表しました。
本発表の最年少であるリンデンホールスクール中高学部・高校1年の田中祐樹さんは、生まれ育った久留米市(福岡県)の”水と密接な暮らしや文化”を紹介し、10代の彼に世の中がどのように見え、どう感じているかを発表しました。
会場は通路を埋め尽くすほどの観覧者が集まり、質疑応答の場面では日本のユースの意識の高さに賞賛の言葉をいただくことができました。
【座談会】発表を終えたユースたちの変化
多くのメンバーが初めてとなる海外でのプレゼンテーションを終えた11名のユースたちはその足で座談会の席につきました。多くの観客を集め、手ごたえを感じた彼らは一様に晴れやかな表情を浮かべ安堵の様子でした。
それぞれが舞台の上で感じたことを口にしながら、90分間の記憶をより深く心に刻みつけ、舞台の上では深掘りできなかった生い立ちや幼少体験、出会ったきっかけや第一印象など、それぞれの人物像に迫り、自然とお互いに興味を持ち合い、絆が深まっていく変化を見て取ることができました。
座談会の終盤には、これまで聞き役に徹してくれた司会進行役の上野我唯さん(アースデイ東京ユース代表)から、これまでに自身が経験してきた人との出会いと関係の深まりについて体験談を交えながら、「今回のこの出会いが未来につながり、新しい世界が広がっていく可能性がある。」と目を輝かせて熱い想いを語ってくれました。
ユースたちの誠実な言葉に、支援をしてきた私たちも胸が熱くなりました。
【ジャパンナイト】ユースの躍進・世界に誇る日本の文化
ステージでの発表をするにあたり、水環境に配慮した制作物も企画しました。
和のテイストで水を表現すべく、地元九州の「小倉織」の青と白の縦縞”北斎ブルー”の法被(はっぴ)を手作りしました。海洋ごみになっていたプラスチックを再生して織物へと有効活用したものです。この企画案には小倉縞縞(https://shima-shima.jp/pages/forestgreen-oceanblue)にご協力をいただきました。
プレゼンテーション中は、日本の文化『折り紙』で折ったウミガメやカブトガニなどを配り、様々な国の方に喜ばれ、多くの方々が足を止めて日本の発表を聞いて下さいました。
国際会議の席で自国の文化をアピールすることは注目を集めるコンテンツですが、ユース発表で司会進行を務めた冨永陽仁さん(アースデイ福岡代表)は書道家としても活動しており、そのことが日本パビリオンの運営の方の目に留まり、急遽ジャパンナイトでパフォーマンスを披露するチャンスをいただきました。書道の腕前とオーストラリア生活で培った語学力と、持ち前のコミュニケーション能力で彼はたちまち会場の人気者となりました。
2022年3月のイベント(https://umitsunagi.jp/report/993)のご縁から始まり、うみつなぎユースのムードメーカーとしてチームを支えてくれた冨永さん、そして発表の場に立ってくれたユースたち、ユースを支えてきてくれた全ての方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
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